Hello, World.

私は山陰出身なのですが、広島に引っ越してきてから、頻繁に見聞きするようになった言葉があります。

それは「けん玉」。

ニュースでも、イベントでも、情報誌でも、本当によく出てくるんですよ…!

調べてみると、広島県廿日市市は現在のけん玉のルーツになった「日月ボール」が考案された場所で、「けん玉発祥の地」だそうです。毎年、けん玉のワールドカップが開催されるなど、地域振興にも一役買っています。

私はそれを初めて知った時、「けん玉発祥の地」という概念に驚いたのを覚えています。いや、別にあっても何らおかしくはないのですが。

「そんなものがこの世にあったのか!」みたいな…?

世の中って知らないことだらけですね。人の世でこれですから、きっと世界のことなんてほとんど何も知らずに死んでいくんでしょうね…(なんだそれ)。

さて、私のけん玉にまつわる記憶は、小学生にまでさかのぼります。

「昔の遊びをしよう!」という授業の一環で、地域のご高齢の方々を小学校の体育館にお招きして、一緒にお手玉やおはじきなどをして遊びました。その中に、けん玉もありました。

…以上です。

私のけん玉の記憶、終了です。

しかも、けん玉があったことは覚えていますが、遊んだかどうかは曖昧です。全然印象に残っていません。たぶん、楽しく遊んだとは思うのですが。

改めて振り返ってみると、私はけん玉にほとんど縁のない人生を送ってきたようです。

しかし、広島に来て何度も「けん玉」という言葉に遭遇するうちに、「そういえば、もう何年(というか、何十年…)もやってないなぁ」とか、「今やったらどんな感じなんだろう?」と考えるようになりました。

そんなある日、会社でけん玉のイベントを開催することになりました。

私は担当ではなかったのですが、同じフロアで「手を挙げた人はステージに上がってもらって…」とか、「けん玉でパフォーマンスをしてくれる人がいるらしい」とか楽しげに話しているのを聞いているうちに、私の中でどんどんけん玉という存在が膨らんでいきました。

実は、この時点で「けん玉を買おう」という決意は固まっていたので、家に帰ってから、初心者向けの練習動画を見てイメージトレーニングをしていました(笑)。

当日、私は受付などのお手伝いで会場に行きました。

時間の都合上、プロの方のパフォーマンスは少ししか見られなかったのですが、身長ほどある長い紐のけん玉を自由自在に操っている姿を見て度肝を抜かれました。

なにあれ…! けん玉ってあんなことができるんだ?!

上手いとか、そういうレベルじゃないです。呆気に取られました。宙を舞っている玉が吸い込まれるようにストンと皿にはまるんですよ。

はぁ〜、すごい世界があるもんだ…。

そして、それと同じく衝撃を受けたのが、プロはほとんど膝を使わないということです。

初心者向けの動画では、かなり大きく膝を上下に動かしているんですよね。玉を安定した姿勢でキャッチするために、上半身はそのままにして腰を落とすというか。玉を迎えにいく感じです。

でも、私が見たプロの方は、ほとんど直立した状態で難しい技を次々と決めていました。

技の種類や個人のクセにもよるでしょうし、必要な範囲で動かしているのだろうとは思いますが、とても自然な動作でした。少なくとも、「よっこいしょ」とすくい上げるような動作ではありませんでした。

さすがプロ…!

というわけで、レベルの高いけん玉の演技を間近で見ていたく感激した私は、さっそく本腰を入れて「MY けん玉」を手に入れるべく動き始めました。

まぁ、ネットで検索するだけなんですけど。

通販サイトでは、遊べればいいといったレベルのおもちゃから、こだわりの逸品的なお高いやつまで、ピンからキリまで出てきます。もしかして、私が知らないだけで結構需要があるんだろうか…?

そのなかで気になったのが「認定けん玉」です。なんでも、日本けん玉協会(そんなものがあったのか…)が公認したけん玉で、段や級の認定を受けるときはこのけん玉しか使えないらしい。

今のところ認定試験を受けるつもりはありませんが、人生何が起こるかわかりません。なので、ひとまず「認定けん玉」の中から探すことにしました。

そこで目を引いたのが、けやきのけん玉。山形県の工房で手作りされているそうです。よくあるけん玉は、玉の部分が赤や青に塗られていますが、こちらは一切塗装されていません。

めちゃくちゃオシャレ…!

一目惚れです。

レビューを見ると「臭い」という書き込みが多かったので、届くまで戦々恐々としていましたが、普通に木の香りで安心しました。

ただし、家族に嗅いでもらうと、「臭ッ!! 何これ?!」と慄かれたので、個人差があると思われます。最初は離れていても匂いがしていましたが、徐々に薄れていき、今では鼻を近づけないとわからないレベルです。

さっそく、一番簡単な大皿から挑戦してみます。

何度か失敗と成功を繰り返すうちに、なんとなくコツが掴めてきました。玉を静止させて、真上に引き上げるといいようです。軌道を安定させると成功率が上がります。

ただ、理屈が分かっても、必ずしも成功するとは限らないのが面白いところです。ほんの少しのズレが成否を分けるので、こんなに単純な遊びなのに、頭と体の調和が求められます。

ハマる人の気持ちがわかる気がしました。

今のところ、皿に乗せる技しか練習していないのですが、成功率は五分五分といったところです。

それでも、結構楽しいです。

普段は机の上に置きっぱなしにしていて、気が向いた時に遊んでいます。例えば、起き抜けにするときは、今日の占い的な感じです。入ればラッキー、みたいな。

まぁ、入るまでやるんですけどね!

けん玉のいいところは、成功しようが失敗しようが、人生に何の影響もないところです。気楽なものです。

案外、いい趣味かもしれません。

じゃあ、また。