Hello, World.
朝起きたら真っ暗だった空が、日に日に明るくなってきていて、季節の移り変わりを感じます。着実に春が近づいていますね。だからなんだと言われたら困りますが。
先日、ひろしま美術館へ行ってきました。「白の魔法 〜モネ、大観も使った最強の色〜」という特別展を見るためです。
こちらの特別展のテーマは、絵画の中の「白」。雪や雲といった白いモチーフのみならず、画材(絵の具や下地)の「白」や、余白の「白」など、ありとあらゆる角度から「白」を集めた展覧会です。
私は、抽象的な概念がテーマになっている展覧会に行くのは初めてで、とても楽しみにしていました。
一般的にはそう珍しいものでもないようですが、展覧会といえばピカソやルノワールといった、わかりやすい有名作家のイメージでした。もしくは「印象派」とか。
いざ会場へ行ってみると、人の多さに驚きました。
というのも、今回の特別展は会期が3ヶ月以上あるんです。私が行ったのは土曜の午後だったのですが、後半だったので、人は少ないだろうと踏んでいたのに。甘かった。
展示は4室に分かれていて、1つの展示室に常時20人程度はいたと思います。一番大きい展示室は50人くらいいたかも。年齢層も、子どもからお年寄りまで幅広い。
ここが地方の私立美術館(※広島銀行が出捐)であることを踏まえると、盛況と言っていいでしょう。
「有名作家の展覧会でもないのに、みんな見に来るものなんだなぁ〜」なんて、自分のことを棚に上げながら順路に従って見て行きます。
すると、不意にある絵画の前で足が止まりました。
「あれ、この絵画、見たことある気がする…」
不思議に思ってキャプションを見ると、所蔵がひろしま美術館となっています。なるほど。常設展で見たことがあったんだなと合点がいきました。
私は、この美術館の特別展に来るたびに、常設展も見るようにしています。結果的に何度も足を運んでいるので、知らず知らずのうちに所蔵作品を覚えていたようです。
そう言えば、事前にチェックしていた出展作品のリストに、ひろしま美術館が所蔵している作品もあったことを思い出しました。軽く目を通しただけなので、その時は「へぇ〜」くらいにしか思いませんでした。
その作品は、確かに「白」というテーマに合います。だって白い部分があるから。というか、白色が全く使われていない作品ってなかなかないですよね。
「ふ〜ん…」と思いながら進んでいくと、また既視感のある絵に出くわしました。キャプションを見ると、やはり所蔵がひろしま美術館となっています。
私は「またか……」とちょっとモヤッとしました。
新しい作品を見ることだけが芸術鑑賞ではないということは理解できます。でも、私は凡人なもので、できれば今まで見たことがない絵が見たいなぁ〜と思ってしまうわけですよ。
そして、少し進むと、また既視感のある絵。所蔵、ひろしま美術館。既視感、所蔵ひろしま美術館。既視感、所蔵ひろしま美術館…以下略。最初の展示室だけでなく、次に行っても同様でした。
結局、特別展を全て見終わってみての感想は、「なんか、見たことあるものばっかりだったなぁ…」でした。
帰ってから、改めて出展作品のリストを見てみました。
私が見た2期の展示は115作品中49作品がひろしま美術館所蔵の作品でした。約4割です。広島県内の美術館が所蔵している作品も含めると、5割近くになります。
特別展のチラシには、裏表合わせて15枚の絵画がカラーで掲載されていますが、ひろしま美術館の所蔵作品はひとつも載っていません。割合から言えば、6作品はひろしま美術館の作品が載っていてもいいはずなのに。
その結果、私は「全部見たことがない作品だろう」という印象を持って会場に行ってしまい、がっかりすることになりました。騙されたとまでは言いませんが、ちょっとモヤっとしたことは事実です。
何度も足を運んでいる人が損をする(というとちょっと語弊がありますが)作品展というのも、どうなんだろう? まぁ、こんなみみっちいこと考えているのは私くらいなものでしょうけども!
お金をかけずに特別展を開催するために、苦肉の策として「白」をテーマとしたのかなぁ。
会場の盛況ぶりを見るに、この試みはうまく行ったのではないでしょうか。この程度で採算が取れるとは思いませんが、美術館存続のためには、お金は切っても切り離せない問題ですもんね。
学芸員さんの柔軟な発想と、それを実行に移した心意気には敬意を表したいと思います。
ただ、楽しみにしていたぶん、ちょっと残念だったなぁ〜という報告でした。
じゃあ、また。
追伸 出品リストに誤字を見つけたので、お問い合わせフォームから連絡したら「確認します」と返信が来て(※「確認しました」ではない)、さらにモヤっとしてしまいました…。直ってもないし。言わない方が良かった〜。
