Hello, World.
私は年始にバタバタしたせいで、口唇ヘルペスを出してしまいました。この口唇ヘルペスというやつは厄介で、一度感染すると、ずっと(一生)身体の中に潜んでいて、免疫力が下がった途端に現れます。
仕事終わりに友人と初詣に行ったのが最大の原因だったと思います。冷たい風が吹き荒むなか、合計1時間くらい歩いたんですよね。神社からの帰り道は真っ暗でした。
ほかにも、夜寝るのが普段より遅かったり、電気毛布の設定を間違えたまま寝て、途中に暑さで目が覚めたりと、色々思い当たる節はあるのですが。
そんなこんなが重なって、朝起きても疲れが抜けず、仕事中もだるくて、「やばい、身体が重い…今日は早く寝よう…」と思っていた矢先に発症(大袈裟)してしまいました。
〜突如始まる私と身体の会話〜

私
ちょっと! 何でこのタイミングでヘルペスを出しちゃうわけ?!

身体
タイミングって何だよ! お前が休まないせいだろ! こっちのせいにするな!

私
もうちょっと頑張ってくれたら出なかったんじゃないかな?!

身体
頑張るもなにも、お前の身体は物質なんだから、物理法則以上のことは起こらない。
免疫力が下がったらあいつ(ヘルペス)が出る。
これ自然の理なり。

私
も〜! 融通が効かないんだから!
今日はちゃんと早く寝ようと思ってたのに…!

身体
そんなお前の脳内にしかない未来の予定なんか知るか!
こっちは今起こっている現象こそが全てなんだ!

私
なんかさ〜、自己管理ができていないやつみたいじゃない…?

身体
一介の生物が己の身体を完全に、しかも自分の都合よく管理できるなどと考えていること自体が笑止千万ッ!!
恥を知れ!!

私
我が身体ながら、手厳しいッ…!

身体
お前の愚かで浅はかな考えなど、どうでもいい。
とにかく、薬を塗って、身体を温かくして、早く寝ろ。
私が言えるのはそれだけだ。

私
正論すぎて何も言えない…わかりました…
〜終〜
なんていうか、普段、私の行動は思考が強く出がちなんですよね。
休日の予定も、「あれもしたい、これもしたい。そうなるとこのルートが一番効率がいいな。お、だったらここも寄れるから、ついでに別の用事も済ませよう」みたいに、自分の体力(と気力)を超えた予定を立てがちです。
大阪に行った時は、「せっかくだし、主要な観光地を全て制覇しよう!」と、中之島図書館(これは私の趣味)、大阪城、通天閣、道頓堀、あべのハルカスを1日で回りましたからね。もはや観光というよりスタンプラリー。もちろん帰りの新幹線では疲労困憊でした。
頭の中では完璧な予定なんですけどね!笑
でも、今回の口唇ヘルペスみたいに、身体が私の「無理」を突きつけてくると、どんなに頭で考えたって言い訳ができないじゃないですか?
だって、それは因果に基づいた純然たる物理現象で、私の意思(自由)はそこにないから。あまりにも勝手で、明解で、正確。言い逃れ不可能。
そんな時、私は「あぁ、所詮、私も物理的な制約を持った、ただの生き物にすぎないのだ」と思い知らされるんですよね。身体という掌の上で転がされている(もしくは転がっている…いや、のたうち回っている?)だけの存在に過ぎないのだ、みたいな。
同時に思い出す印象的な話があります。
養老孟司氏が体調不良で病院へ行った際のエピソードです。
養老孟司氏といえば、現代を代表する知識人ですよね。東京大学医学部卒で、そのまま東京大学の教員となり、今は名誉教授。その他、ベストセラー多数。どんだけ頭がいいんだって話です。
養老氏は、医者にも関わらず(医者だからこそ?)病院嫌いでもありました。確か、病院に行っても病気にさせられる(勝手にいろんな病名をつけられる)だけだから、みたいなことだったと思います。
そんな養老氏ですが、82歳の時にどう足掻いても体調が悪く、東大病院に行ったそうです。そしたら、心筋梗塞で即入院。
きっと、養老氏の脳内ではこんな会話があったに違いない。
養老氏「僕は絶対に病院なんて行かないぞ。あんなところ、人間を数値で管理しているだけじゃないか。そもそも…」
身体「ぐだぐだうっせぇ! とっとと病院に行けッ! そうすりゃ、助かる可能性がある!!」
養老氏「しかしだねぇ…」
身体「生き物としての最大の使命は『生きること』だろうが! それ以上に重要なことなんて、この世にねぇんだよッ! てめぇの頭の中だけに存在する思想なんか知るかッ!!」
養老氏「……わかりました」
ってな感じです。知らんけど。
まぁ、それだけ身体っていうのはすごい力を持っていて、どんなに頭で考えたところで、敵うわけがないんでしょうね。養老氏の頭でも説得ができなかったんだから!
もしかしたら、どこかの国の山奥にひっそりと暮らしている覚者なら違うのかもしれないけど、なる予定もないし、なれる気もしないし。
というわけで、無理をせず、おとなしく自分の身の丈にあった生活を心がけようと思いました。
じゃあ、また。